生物多様性あれこれvol.3 サブカルチャーから感じる生物多様性

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生物多様性あれこれ

Vol.3:あのゲームや漫画にそんな生物ネタが!?~サブカルチャーから感じる生物多様性~

過去のコラムはコチラ
vol.1:絶滅危惧種は本当に貴重なのか?
vol.2:魚よ、川を分断するダムをかけあがれ!

購読者の皆様こんにちは、エコ・リーグ/生物多様性わかものネットワークの篠原です。
今回は、サブカルチャーに関するテーマをご紹介します。

―サブカルチャー大国日本―

最近の日本はサブカルチャー大国といわれています(もはや「サブ」とつけるのもおこがましい程にメジャーになっていますが)。
ゲームや漫画、アニメ等、細かく言い出したら枚挙に暇がありません。
日本発のサブカルチャーが世界レベルで活躍しています。
最近の話題ですと漫画ONE PIECEのギネス記録や任天堂の岩田元社長のご不孝等でしょうか。
そんなサブカルチャーの中にも以外と生物ネタは隠されているものです。
今回はそのいくつかについて話題提供していきます。

―樹熱をなおしたコニーネは実在する!?~漫画ONE PIECEから学ぶ~―

大人気漫画といってもさしつかえないでしょう、
海賊モンキー・D・ルフィの冒険をテーマとした「ONE PIECE」。私も大ファンです。
その中で空島が冒険の舞台となっている31巻に、シャンドラではやっていた病気「樹熱」という病気を
冒険家モンブラン・ノーランドが「コナの木」からとれる「コニーネ」という薬を用いて治すというシーンがあります。
実はこのコナの木にモデルとなる生物がいたのはご存じでしょうか?

その生物の名は「キナの木」。

南米に生育する植物です。少し詳しく話すとキナノキ属と呼ばれる植物の総称です。

キナの木の一種、アカキナノキについて:日本新薬HPより
http://www.nippon-shinyaku.co.jp/herb/db/flower/2001/cinchona_pubescens.html

ちなみにキナの木からとれる物質「キニーネ」、実はマラリアの特効薬として利用されます。
ONE PIECEをまた違った一面で読むことができました。

―モンスターの世界に生態系が!?~ゲームロマンシングサガから学ぶ~―

今度はテレビゲームについてです。テレビゲーム界の中でも有名な会社「SQUARE ENIX」。
その中でも多くのシリーズを生み出している「サガ」シリーズ。
今回はその中から2005年に発売された「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」というRPGゲームについてご紹介します。

ロマンシング サガ -ミンストレルソング-について:SQUARE ENIX HPより
http://www.jp.square-enix.com/archive/romasaga_ms/

詳しいお話は省略しますが、この世界にでてくるモンスターが今回のポイントです。
多くのゲームではモンスターを倒してもその総数は減ることがないのですが、

なんとこのゲームでは特定のモンスターを倒していくと、そのモンスターの数が減っていくというシステムを取り入れています。

それだけでなく、その地域にいた他のモンスターの数が増えていくのです。
勿論実際の生態系とはあわないのですが、RPGゲームにおいて生態系を取り入れた作品があるのは個人的にはとても斬新なアイデアでした。

―様々な角度で楽しく学べるサブカルチャーの世界―

サブカルチャーといえば楽しい!でもそれだけでなく様々な角度から見ると意外な気づきがあるものです。
今回はその1つとして生物ネタを紹介しました。
知識を得るのは、何も専門の本を読んだり教師から学ぶばかりではありません。
今回のような視点でサブカルチャーから生物多様性を学んでみるのもいかがでしょうか?

以上、「生物多様性あれこれ Vol.3:あのゲームや漫画にそんな生物ネタが!?~サブカルチャーから感じる生物多様性~」
でした。次回をお楽しみに!

執筆:篠原 光礎(NPO法人エコ・リーグ/生物多様性わかものネットワーク)

過去のコラムはコチラ
vol.1:絶滅危惧種は本当に貴重なのか?
vol.2:魚よ、川を分断するダムをかけあがれ!

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