【開催報告】対馬・野焼きツアーを実施しました。(2025年3月)

2025年3月1日(土)〜2日(日)に、長崎県対馬市上県町の千俵蒔山(せんびょうまきやま)にて、草原の役割について学び、野焼き通してヤマネコの保全に関わる「野焼きツアー」を実施しました。

主催は対馬の旅行会社 対馬グリーンブルーツーリズム協会(GBT)、エコ・リーグは 広報・参加者募集のサポート を担当しました。

野焼きが行われる千俵蒔山(せんびょうまきやま)

🔥 6年ぶりの復活から、継続のステージへ

千俵蒔山は、かつて農作業に牛や馬が活躍していた時代、
エサをとったり、田畑の肥料をつくったりするために、地域の人々が毎年野焼きを行い
草原環境を維持してきた山です。

「千俵ものソバやムギが蒔けるほど広い草原」という意味で名づけられたこの山には、
草原環境を好む昆虫や小動物が多く生息して、それらが対馬固有のツシマヤマネコの貴重なエサとなっています。

しかし、農機具の普及など人々の営みの変化とともに野焼きは行われなくなり、
千俵蒔山の多様な植物・小動物、ヤマネコが住まう、豊かな環境は失われつつありました。

そこで、2022年頃からエコ・リーグと対馬グリーンブルーツーリズム協会が連携し、
地元住民の方々と協議を重ねた結果、2024年3月に5年ぶりの野焼きを復活。
その流れを受け、2025年も地域の力で開催することができました。

2025年開催のツアーはこちら
今年も開催!対馬伝統の千俵蒔山での野焼き体験ツアー

残念ながら野焼きは中止に

あいにく今年は悪天候のため野焼きは中止となってしまいました。
しかし、現地ではツアー参加者の皆さんと共に、来年の野焼きに向けた準備と学びの時間をしっかりと過ごすことができました。

ツアー当日の様子

【1日目】3月1日(土)

10:30 対馬空港集合
   今年は東京・京都・福岡から8名の方が参加!

11:00 観光@万関展望所
   対馬の代表的な湾・浅茅湾(あそうわん)を眺めながら「対馬」についてレクチャーをしました。

12:00 ランチ@海小屋「吉栄」
   大漁湾(おろしかわん)のほとりにある海小屋で、あなごやイカなど海の幸を楽しみました。

あと一品あったんです。対馬のあなごに、いかに、対馬を味わえる定食です。

13:45 レクチャー@対馬野生生物保護センター
   ツシマヤマネコに関わる職員の方からお話を伺い、保護中のヤマネコも見学。

15:20 野焼き準備
   翌日の火入れに備え、火消しに使うツバキの枝を伐採。現地の方と協力して準備を進めました。

18:00 夕食@民泊「恵」
   野焼きの取りまとめを担う地域の方々と夕食を囲み、野焼きの意義や地域文化について語り合いました。

【2日目】3月2日(日)

7:00 野焼き隊集合予定→荒天により中止

10:00 レザークラフト体験@もみじぼたん
   野焼きは中止となりましたが、「獣害から獣財へ」を掲げる一般社団法人 daidaiが運営する加工場”もみじぼたん”にてイノシシやシカの革を使ったキーホルダー作りを体験しました。

草原とイノシシやシカとの関係

 対馬ではイノシシやシカによる農作物被害や植生の減少が大きな課題です。
野焼き後の新芽を食べてしまうことでも草原再生が妨げられます。
つまり、獣害対策=草原保全でもあるのです。
このツアーを通じ、参加者はその関係性を実感しました。

12:00 昼食@もみじぼたん
   地元で捕獲されたイノシシ・シカを使ったハンバーガーやサラダを楽しみました。

13:00 乗馬体験@あそうベイパークふれあい牧場
   日本在来馬「対州馬」は昔から農耕馬として活用してきました。そんな対州馬に実際に乗り、地域の暮らしに触れました。

14:00 対馬空港へ
   荒天により飛行機が欠航し、急遽船で福岡へ向かいました。
   陸路で繋がっていない離島ならではで、最後まで忘れられないツアーとなりました。

🌱 つながりを次の春へ

 今年は野焼きこそ中止でしたが、地域とエコ・リーグ、そして参加者との共同体制はより強固になりました。
 来年に向け、シカ対策を含めた草原保全の準備を進めていきます。

 2026年3月も野焼きツアーを継続開催予定です。(3/7-8予定)
 さらに、これまでの参加者を対象にした”エコ・リーグ主催の「野焼き玄人ツアー」”も企画中!
 ぜひ今後の情報をお見逃しなく👀

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